人事っていつから必要?どんな人事機能が必要?

Authored by 吉田 絵美, リージョナルセールスマネージャー, シンガポール • 3 min read

人事担当とは、人事機能とはどのタイミングで作るものなのでしょうか。
新しく企業を設立したばかりだから、あるいは従業員数が10名未満だから人事機能はまだなくてもよいのでは?こうした質問をいただくことがよくあります。

前提として、組織は事業目標を実現するために設計するものです。
企業が置かれた事業フェーズによって、追求すべき目標は大きく異なります。設立したての企業が最優先すべきことと、拡大期や安定期にある企業が取り組むべきことは同じではありません。だからこそ、「事業目標を実現するためにどういう組織であるべきか」という視点に則り、フェーズに応じて人事機能を取り入れていくことが大事です。

■設立期:ビジョン・戦略に合致する“コア人材”の確保

設立期において最も重要なのは、企業が向かうべき姿(ビジョン)と、その実現に向けての事業戦略を明確に描くことです。これが固まれば、逆算して“どんな人物を迎え入れるべきか”という人事ポリシーが見えてきます。初期は少人数ゆえ、一人ひとりの影響範囲が極めて大きく、採用の精度が将来の組織を左右します。ビジョン・戦略・人事ポリシーを固めたうえで採用計画を立て、組織の根幹となるメンバーを選び抜くことが不可欠です。


■設立後期:役割を明確化するジョブディスクリプションの整備

後期になるとメンバーが増え、10名前後の小さなチームへと成長しているでしょう。このフェーズでは、各個人の役割と責任範囲を明確に区切ることが必要になります。設立当初は、少人数の中、各個人が手探りで仕事を進めるというフェーズでしたが、小さなチームができた今、重要なのは「なんとなく担当していた仕事」に境界線を引くことです。そうすることで業務の幅が明確になるため、横に広がっていたリソースが深化され、業務の専門性が育っていきます。これは後に導入する目標管理や評価制度の基盤としても機能し、組織運営の質を大きく引き上げる要になります。


■拡大期:目標設定・評価・報酬を連動させた一貫性ある人事制度

事業が軌道に乗り始めると、個々の力ではなく“チームとして成果を最大化する”段階へと入ります。そのためには、目標設定・評価・報酬の各制度を連動させ、社員が安心してパフォーマンスを発揮できる環境を整えることが不可欠です。このフェーズでは専任の人事担当者を配置することが大事です。人事の責任者を据えること、組織運営に一貫性を持たせることが成長スピードをさらに加速させる鍵です。


■安定期:昇格制度、リーダー育成、エンゲージメント強化

売上拡大フェーズを過ぎると、企業は事業の安定性を高める段階に移ります。このフェーズで重要なのは、社員が長期的に活躍できる環境づくりです。正しい評価に基づく昇格やアサインメントにより、既存社員をコアポジションへ導くこと。そして、次世代リーダーを育てる仕組みを整えること。これらの取り組みは組織の成長スピードと個人のキャリア形成を一致させ、エンゲージメント向上と定着の好循環を生み出します。


■まとめ

組織づくりに絶対的な“正解の型”はありません。
しかし、事業フェーズに応じて整えるべきポイントが存在することは間違いありません。

• 設立期:採用と役割の基礎づくり
• 拡大期:人事制度の連動と組織の一貫性
• 安定期:キャリア制度とエンゲージメント強化

これらを段階的に積み重ねることで、企業は戦略を実行できる強くしなやかな組織へと成長していきます。組織は一日にしてならず。事業の成長段階を見極め、最適な仕組みを適切なタイミングで整えることが、未来の競争力を決定づけるのです。

■本記事に関するお問い合わせ
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